金曜日の文具(第45回/ウクライナ民話のてぶくろ)
こんにちは。
今週、文房具とはあまり関係のないこんな本を追加しました。
てぶくろ
¥1,100
読んだことがある人も多いと思います。
いま、話題になっているのをご存知ですか。
八文字屋でも手にとる方が増えています。
ウクライナに昔からある話を絵本にしたもので、
おじいさんが落とした手袋のなかに、次から次へといろいろな動物が集まってシェアハウスにしてしまう密すぎる同居物語です。
やってくる動物の大きさはどんどんエスカレート。明らかに入るはずがないのにあっさり棲みついてしまいます。
「入れるのかな……」「入っちゃうんだ!」そのユーモラスで少しハラハラもさせる展開に引き込まれます。
「だれだい、てぶくろにすんでいるのは?」動物たちの問いかけがリズミカルに繰り返され、声に出して読むともっと楽しい!一冊です。
「おうち」としてリノベーション(!)されたりほころんだりする、生活感あふれる手袋の描写も愉快で、
「みんなどうやって入り込んでいるんだろう」「自分なら手袋のおうちになにをくわえようか」そんな想像もふくらみます。
なんだか捕食力の高そうな動物もやってくるのですが、こちらの勝手な心配なんてどこ吹く風といった感じで、なかよくこぢんまりと収まってしまいます。
子どもたちが楽しむだけでなく、あたたかくも不思議な世界が心にしみるほっこり絵本。花柄デザインの表紙もかわいくて素敵な装丁です。
(文・写真 ナガオカ)