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金曜日の文具(第9回/sasiccoのTote40)
こんにちは。
今日は愛知県豊川市にある「タネイ」のバッグブランド、「sasicco(サシコ)」の「Tote40」についてご紹介します。
ちょうど欠品中だったカラーが再入荷してそろっています。
ブランド名は素材の「刺し子」に由来。
刺し子とは、綿の布を重ね合わせて縦横の糸で織り込んだものです。
一般的には、柔道、剣道、空手の道着の生地として知られています。
つまり、Tote40は道着で作ったトートバッグなのです。
sasiccoのラインナップの中でも人気ナンバー1の定番品。
お泊まりや週末のお買い物にも重宝する、たっぷり入る大容量サイズです。
本当は実際に手にとってさわってみていただきたいのですが、見た目の印象よりずっと軽くて柔らかいので驚きます。
柔道着でおなじみの風合いと、あのちょっとぼこぼこした質感がバッグになっているというのもユニークでおもしろいです。
身体にまとって、掴み合ったり引っ張り合ったりの激しい動きが想定された生地ですので、当然、手によくなじみ、とても丈夫です。
持ち手も幅広に作られているので、肩がけしたときの負担をやわらげます。
武道という伝統文化からの連想で、少し渋くて固いイメージが湧いてしまうかもしれません。
しかし、sasiccoの始まりは、もともと縫製スタッフの女性たちが道着のハギレを使って作っていた自分用のバッグでした。
それが社内で評価され、商品化されたのだそうです。
発端が女性目線のアイデアかつ、カラーバリエーションも豊富で、赤はカジュアル、グレー系はシックな趣きがあります。
実際に当店でも、女性のお客様を中心にお買い求めていただいています。
個人的におすすめなのが、この「消防刺子」というツートンカラー。
黒と白の細かいブロックチェックのような織りで、モダンな雰囲気があります。
丈夫で耐火性にすぐれた三河木綿の刺し子織りは、江戸時代から近代まで、火消(当時の消防士)の「火事装束」にも使用されていました。
sasiccoの「消防刺子」は、彼らが身にまとっていた刺子織の衣装が、このような千鳥柄だったことに由来します。
当時の消防士の精神を受け継ぐバッグなのです。
店頭には、定番のトートのほかにも、レトロながま口のポーチやコンパクトなツインバッグも並べています。
山形での常設店は当店だけとのことで、珍しそうに手にとって、刺し子織りのくたっとした生地感を楽しむお客様も少なくありません。
「(キャンバスや帆布の)トートバッグならたくさん持ってるよ」という方も新鮮な気持ちでお使いいただけます。
ユニークな道着のバッグ、ぜひいかがでしょうか。
OnlineStoreでも取扱中です。
Tote40
¥4,730
(文・写真 ナガオカ)