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金曜日の文具(第33回/武田健の『はじめてのガラスペン』)

武田健さんのガラスペン本見て、さわって、描いて、書く はじめてのガラスペン入荷してます。

「日本初のガラスペン入門書」と謳われていますが、世界初の本格的なガラスペン本ではないでしょうか!

「趣味の文具箱」のような雑誌でいままで特集されることはあっても、こうして一冊の本としてここまで網羅的にまとめられたものは見たことがありません。

ガラスペンの手引きがあり、ガラスペンの図鑑があり、ガラス工房探訪や達人・愛好家たちの語りと寄稿があり、初級者も中級者も上級者もカバーする充実した内容になっています。

最近、大都市で開催されたイベント販売に参加させていただく機会もあって、インク沼ブームから波及したガラスペンを取り巻く盛り上がりが肌でも感じられました。

ガラス工芸作家さんが続々とペンを作りはじめ、多種多様なガラスペンが次々と展開しています。現在のガラスペン情勢やラインナップを把握できるこういった本は、まさに求められているものではないかと思います。


本書は三部構成になっています。

チャプター1は、ガラスペンの仕組みや構造、使い方について。

細かい注意点や、使っているうちに見えてくるちょっとした工夫まで書かれてあるので、本当に初めての方でもこれ一冊あれば安心です。

(ティッシュでふく際のワンポイントなどは、初心者の方にはとても親切だなと思います)

 

チャプター2は、主な作家・メーカー(工房)のガラスペンをひとつひとつ解説しています。

29の工房の184本のガラスペンを総覧。

帯に一覧が載っています。

作り手ごとに個性がきわだち、こだわりが詰まった様々な意匠のガラスペン。

限定品については販売店の情報もあり、目を楽しませるだけでなく、物欲が刺激されるのは避けれないパートになっています。

 

チャプター3は、ガラスペン愛好家の使い方や多彩な表現を紹介。

万年筆画家のサトウヒロシさんのような「解説されても、とてもこんなふうには書けないんですけど……」というすごい表現もあれば、すぐに参考にできる使い方まで。

「HASE工房」探訪(作家の長谷川さんとの対談)や、販売店員の方々との鼎談も、掘り下げられた内容で読みごたえがあります。


こういった対談・鼎談など、本書の中で繰り返し語られていることは、ガラスペンはハンドメイドであり個体差があるということ。

そのため、実際に販売店に趣いて試筆したり、作家さんに相談しながら調整してもらったりする機会が多く、ゆえにかつて存在していた「作り手」「売り手」「買い手」の豊かなつながりを思い出させてくれるアイテムだということです。

それは八文字屋でも店頭での接客をつうじて実感していることであり、また通販でも、ガラス製品の取扱いをきっかけに、問い合わせやアフターケアにおけるお客様とのやりとりをよりいっそう大切にするようになりました。

既刊の「万年筆インク辞典」シリーズもそうですが、文学をテーマにしたインクもプロデュースしていらっしゃる武田さんだけあって、示唆に富んだ、読みものとしてもしっかりおもしろい一冊になっています。

 

八文字屋本店、OnlineStoreで取扱い中です。

見て、さわって、書いて、描く はじめてのガラスペン

¥2,200

 

(文・写真 ナガオカ)

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