金曜日の文具(第16回/GLASS STADIO しなぷす×八文字屋の空ノムコウ・ガラスペン その1)
こんにちは。
先週に引き続き、二週連続でオリジナルガラスペンの新作をご紹介します!
「空ノムコウ・ガラスペン」です。
モチーフとなったのは、1821(文政四年)年創業の山形の和菓子屋「乃し梅本舗 佐藤屋」さんの同名のお菓子。
山形産の完熟梅を用いた銘菓「乃し梅」で有名な老舗店ですが、
現店主・八代目の佐藤慎太郎さんは「和菓子をちょっと自由に」をモットーに、現代の感覚で和菓子のイメージを見直した新たな楽しみ方も提案しています。
(乃し梅本舗 佐藤屋 Webサイト は こちら)
「空ノムコウ」は、寒天と砂糖のみでつくる伝統の和菓子「錦玉羹(きんぎょくかん)」を現代の感性で表現したもの。
透明の層と、青と紫のグラデーションにした層とを重ね、その間に寒天菓子では一般的にタブーとされる気泡をあえてたっぷり入れて仕上げています。
まるで宇宙や海を封じ込めたようなフォトジェニックな見た目がSNSでも話題になり、大変な反響があったそうです。
お味の方は、ほどよい甘さとほのかに香る生姜の風味がさっぱりとしていて、涼しげな見た目どおり夏場にもさわやかにいただけます。
また、場所や見る角度によって光の反射や屈折が変わり、さまざまな表情を楽しむことができるお菓子です。
(乃し梅本舗 佐藤屋 オンラインSHOP より)
「まるでガラスアートのよう!」と思われる方がいても不思議ではありません。
実はこれは、佐藤屋さんが、山形のガラス作家さんの合同展示会でインスピレーションを得て創作したもの。
八文字屋がそれをまたガラスペンへと再現しました。
依頼したのは「GLASS STADIO しなぷす」の並木亮太さん。
「guridrops」(「和スイーツガラスペン」など)の殿木久美子さん、
八文字屋オリジナルの「Fruits ガラスペン」を制作いただいた「kokeshi」の藤田えみさんらとともに、
ぐり工房にて講師として働いていらっしゃいます。
並木さんは、以前から体験指導の一環でガラスペンに携わってきましたが、今年に入ってオリジナルのガラスペン制作に着手。
全国各地のガラスペンフェアや文具イベントに出品するなど、これからますます注目のガラス作家さんです。
透明感のあるお菓子を、同じく透明感のあるガラスで再現するといっても、素材自体はまったく異なるもの。当然まったく異なるアプローチが必要です。
くわえて、ガラスペンとしての実用性も兼ね備えていなければなりません。
そのために、とても手間のかかった工程をへて作られています。
次回はその制作工程やディテールについて、並木さんに詳しくおうかがいしたことをご紹介。
発売日やお値段についても来週ご案内します!
錦玉羹「空ノムコウ」のお取り寄せは、佐藤屋さんのオンラインSHOPから
(ただいまは発送まで約1カ月ほどお待ちいただいているそうです)。
また、佐藤屋さん各店の店頭には毎日並んでいます。
「GLASS STADIO しなぷす」と並木亮太さんについては以下もご覧ください。
●並木亮太さん Instagram
●ぐり工房 Webサイト
(文・写真 ナガオカ)