
金曜日の文具(第8回/セーラー万年筆の創業110周年記念謹製万年筆)
こんにちは。
セーラーの創業110周年記念万年筆、八文字屋にも入荷しております。
ラインナップは「プレミアム」「くろがね」「しろがね」の3種のメモリアルモデル。
国内・海外の取扱販売店での数量限定発売になります。
重厚な極太のボディに大型の21金ペン先がついた豪華な万年筆です。
創業100周年モデル「島桑」は、創業初期の万年筆を彷彿させるアンティークイメージの木軸でした。
セーラーの担当者の方にうかがったところ、創業110周年は「120周年、130周年の時まで末長く使っていただきたい」という想いを込めて、未来を見すえた金属素材が選ばれたとのこと。
「しろがね」で採用されているスターリングシルバー925の万年筆が、以前から要望があったこともあり、この機会に複数の金属素材で展開。
セーラーが長年培ってきた技術を結集して、試行錯誤を繰り返しながら、安定した光沢や発色、後述する「プレミアム」の尾栓飾りなどの新しい意匠に挑戦しました。
万年筆のデザインはどれも円筒形。
キャップをしめても、軸とキャップで段差ができないシルエットになります。
キャップにクリップはなく、その代わりに、装飾と機能美を兼ねた断面形状のリングで転がりを防止します。
プレミアム
最高級モデル。
ペン先に合わせて、セーラーの代名詞ともいえる21金を胴部分にも使用。
梨地仕上げという、梨の表皮に似せて金属の表面を荒らす処理を施し、艶と光沢を抑えて落ち着いた雰囲気を出しています。
110周年にふさわしい贅沢な仕様です。圧倒的な存在感で異彩を放っています。
世界限定110本。お値段も550,000円(税込)という破格のものになっております……!
当店でご用意した字幅はMF(中細字)で、シリアルナンバーは26/110です。
くろがね
その名のとおり、軸・キャップをブラックで統一。
極薄の黒色酸化被膜を成長させた電解発色(自然発色)の新技術で、金属感を活かしながら深みのある黒発色を実現。
メッキや塗装ではなく、光の干渉を利用して色を認識させるため、剥がれる心配がなく、耐久性、耐候性に優れています。
世界限定1100本で、価格は110,000円(税込)。
当店でご用意した字幅はM(中字)で、シリアルナンバーは177/1100です。
しろがね
シルバーカラーで統一したモデル。
軸・キャップに、銀の含有量が92.5%以上のスターリングシルバー925を使用しています。
(純銀は加工に難があるので銅やアルミを含んでいます)
こちらも限定1100本で、価格は110,000円(税込)。
当店でご用意した字幅はMF(中字)で、シリアルナンバーは143/1100です。
いずれも、素材の良さや技術の高さにこだわった、シンプルでフラットなデザイン。
サイズは3本とも同じですが、重さには若干の差があり、
プレミアム>しろがね>くろがね
になります。
天冠はクリアのアクリルドームが突出し、中に「錨」のトレードマークが見えるのが特徴。
「くろがね」「しろがね」は、バイカラーのプレートに埋め込まれており、
「プレミアム」は中空に浮かびあがっているように見える、という違いがあります。
付属のペンシースは、ファブリックブランド「麻世妙 majotae(まよたえ)」が現代に甦らせた希少な大麻布を使用。
ペンに柔らかく馴染み、上品な光沢と白さを増す独特な経年変化が楽しめます。
肌ざわりもよく、丈夫で吸湿・速乾性に優れるため、万年筆の保護にも最適です。
専用ケースにもこだわっており、湿気に強く、古くから建材としても利用されている国産の栗材を使用。
プレミアムには、セーラー創業の地、瀬戸内の夜明け前の海をイメージしたボトルインクがセットに。その分、ケースも大型のものになっています。
岐阜県・飛騨高山の伝統工芸である一位一刀彫の彫師・二代目小坂礼之氏が監修。
プレミアム用のケースは、小坂氏の手彫りにより名栗目(なぐりめ)のテクスチャーを施しています。
プレミアムは店頭に展示しておりません。
ご購入を検討されている方、一度実物を見て手にとってみたいという方はスタッフまでお申しつけください。
OnlineStoreでもこちらから取扱中です。
Kemmy’s Labo(ケミーズ・ラボ)ガラスペンフェア、いよいよ明日、7月3日から始まります。
3日・4日の二日間は、作家の深澤亜希子さんとZOOMでつなぎ、ガラスペンのペン先調整が相談できるイベントも開催。
販売する八文字屋オリジナルガラスペンと、試筆用の字幅サンプルも届きました。
イベント用のモニターも設営完了。
期間中は、Kemmy’s Labo ガラスペンの制作風景の映像を流しています。
65インチの大型液晶テレビです。スタッフから「いくらなんでも大きすぎるのでは……?」という声もあったのですが、密にならずに遠巻きにもご覧いただけますので、ご来店の際はぜひお立ち寄りください。
イベントは、両日ともに12:00~13:00の時間帯に若干名空きがございます。
こちらもしくはお電話(023-622-2135)にてご応募うけたまわっております。
店頭では、新型コロナウイルス感染拡大防止の対応を強化しております。
お客様に安心してご参加いただけるイベント運営に努めますので、少しでもご興味のある方はぜひご参加ください。
(文・写真 ナガオカ)