金曜日の文具(第24回/カンダミサコの二本差しペンシース)
先週に引き続き、カンダミサコ (kandamisako) さんのペンシースを紹介します。
今週は二本のペンをスマートに持ち歩いて使うことができる二本差し。
内外ともにドイツシュリンクを貼り合わせた薄型のケースで、内側と外側には違う色を使用しています。
差し込み口からちらりと覗く内側がアクセントカラーになっていてお洒落です。
まるっとした一本差しに対してこちらは平面的ですが、ドイツシュリンクのふっくらとしたさわり心地と、シボ(革の表面にある立体的なシワ模様)の表情に、視覚的に柔らかな印象を感じます。
一切飾り気のないシンブルなデザインと、蓋がないので手早くペンを出し入れできる機能美は、一本差しと同様。
軽くてかさばらず、スーツの内ポケットや鞄のサイドポケットなど手近な場所に入れた時のも収まりも良く、使いたい時にさっとすぐに使い始めることができます。
薄型のケースにペンを入れ込む感じなので、細めのペンでもしっかりホールド。
太めのペンでも中身に合わせてしなやかに伸びてフィットしてくれます。
M800くらいの太さまで対応していますし、一本差しには入らなかったLamy Safariも収納できます。
素材のドイツシュランクは柔らかくある程度の伸縮性もあり、ペンの形に寄り添ってくれるけれど型崩れはしないという、とても上質な革とのこと。
ペンを入れた時のなだらかにくびれた曲線も美しいルックです。
違うインクの万年筆を二本を入れたり、細い字幅と太い字幅を入れたり。
あるいは、万年筆はどうしても実用性という点ではボールペンに及びませんので、万年筆とボールペンを入れて携帯すれば便利ですし、フォーマルな場で使うペンとカジュアルな場で使いたいペンなど、シーンごとの使い分けにも活用できると思います。
また、差し込み口からは天冠が顔を覗かせていますので、ペンのデザインやペンシースの2色とのカラーコーデイネートで選ぶという方も多いと思います。
自分だけの組み合わせを考えて楽しんでみてください。
この二本差しペンケースは、ある程度継続して制作している定番的な色の組み合わせもありますが、革の在庫状況に合わせて作れるものを作っているそうです。
そのとき限りになる配色もあるとのことですので、気に入ったお色に出会ったときには、機会を逃さずお迎えいただければと思います……!
八文字屋本店・OnlineStoreで取扱い中です。
¥8,800(税込)
また、先週紹介した一本差しペンシースですが、カラーが豊富すぎて各色の違いも微妙なので、改めて紹介します。
特に暗めの色は他との比較で見ないと色味がわかりずらいかなこともあり、系統色ごとに並べてみました。
まずは茶系。
上から「ダークブラウン」「ゴールド」「トープ」。
青系。
上から「アポロ」「ジーンブルー」「スカイ」「グレイ」。
ピンク〜紫。
上から「ピンクローズ」「サーフ」「ピンク」。
少しややこしいですが、紫に近いのが「ピンクローズ」、ピンク寄りなのが「サーフ」になります。どちらもフランスの春を回想させるような淡く華やかな色合い。
そして暗色系。
上から「ブラック」「ダークブルー」「ダークグリーン」「アントラジス」。
「アントラジス」は写真ではさらにわかりづらいですが(すみません)、濃いグレーです。
「ダークブルー」は個別に見ると「ブラック」とあまり区別がつかないのですが、内側の革にはっきりと色味が出ています。参考までに。
残りは見分けがつきやすいかと思います。
どれも鮮やかな発色で並べると華やかです。
左・上から「ミント」「オリーブ」「ライムグリーン」。
右・上から「ライトレッド」「オレンジ」「イエロー」。
中央「エッグシェル」。
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(文・写真 ナガオカ)