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天明幸子/自分の絵が未来に連れて行ってくれる

パッと目を引く個性的な女の子と動物。ビビットカラーが配色された天明さんのイラストは、明るく元気な印象を与えてくれます。長く愛されるキャラクターを描く秘訣を伺います。

自分の絵が未来に連れて行ってくれる

―――イラストレーターを目指された理由から教えてください。

天明幸子さん(以下天明):父が家でパッケージデザインの仕事をしていました。キレイな資料や本がたくさんあり、一緒に写生に行ってくれたりもして、小学校の卒業文集には「将来はデザイナーかイラストレーターになりたい」と書いてました。なので進路は自然にデザイン関係でした。

―――そうなんですね。そこからイラストレーターに方向転換したきっかけは何だったのですか?

天明:父が不調で仕事を手伝うことになったので並行してイラスト教室に通ったり、公募に出展したりしていました。父が亡くなった時に、専門学校時代の恩師である秋山孝さんに誘っていただいて、事務所で電話番や雑用をしていましたが事務所が解散することになり、活動をスタートさせました。

―――イラストレーターとして転機になったお仕事はありますか。

天明:駆け出しの頃は出版社への売り込みも行きましたし、イラストだけでは食べていけなかったので、とにかく何でもお引き受けしてました。

そんな時代を駆け抜け、2001年12月から3年間、ほぼ日さん(糸井重里氏主宰のウェブサイト)で「しやわせかもしれない」というイラストの連載をさせていただいたのが大きいです。

1日1枚イラストを掲載するのですが、当時は楽しいウェブサイトがあまりなかったので、とても大勢の方々の目に止まり、ありがたいことに大きく仕事が広がっていきました。

―――天明さんが描く個性的な女の子には目を引かれます。

天明:私は美大に行くためにデッサンの勉強をしてきたわけではないのでコンプレックスがあって。最近は平面で描いたキャラクターの着ぐるみ化で苦労しました。

とくに原画の再現は、空間認知能力が必要なので難しかったです。建物や車、見たものを何でも描けるようになりたいとチャレンジしたこともありますが、苦手なので続かず……。

でも、だからこそ、この違和感のある絵を面白がっていただけて、お仕事に繋がっているのかなとも思っています。苦手意識は横に置き、楽しみながら私自身が気に入る絵を描いて次に繋げていきたいです。

愛知県熱中症対策啓発キャラクターの「すずみーな」。県鳥の「コノハズク」がモチーフの妖精。着ぐるみにも。

―――描く絵への個性はどうやって出していくものですか?

天明:学生さんにもよく質問をされますが、描き続けるしかないと思います。私も初めは色んな画材を使いましたし、憧れから今とはまったく違うテイストの絵を描いていた時期もありました。

描いていくうちに自分の持ち味がわかっていくのだと思います。もちろん自分が描いていて楽しいことも大切です。

―――手を動かす時間が次に繋がるのですね。イラストレーターとしての喜びはどんなときですか。

天明:「あなたに描いて欲しいです」と言っていただけるのはイラストレーター冥利に尽きます。そのイラストを見てくださった方が〝かわいい〞と受け取ってくれたら嬉しいですし、キャラクターなら長く愛され続けて欲しいと願います。

今でも父がデザインした包装紙や恩師のキャラクターを見かける機会がありますが、月日が経っても愛され生き続けていることに強く憧れます。私の絵もそうなれたら本望です。

―――新しい挑戦は考えていらっしゃいますか?

天明:何年振りかに個展をして、空気が変わり、世界が広がったので今後も開催していきたいです。あとは長く愛されるキャラクターを描きたい。

絵が私を想像していなかった未来へ連れて行ってくれました。これからも心を込めてコツコツ描き続け、見晴らしが良い場所に連れて行ってもらえるように、ワクワクしていたいです。

“かわいい”文房具は作品のヒラメキのかけらでもあるそう。国内から海外のものまで気がつくと集まっているとか。
天明さんのオリジナルグッズは「@btf」というサイトにて販売中。東京都勝どきにギャラリーがあり、昨年は個展を開催した。

取材・文/中山夏美

※本記事は『八文字屋plus+ Vol.11 冬号』に掲載されたものです。
※記事の内容は、執筆時点のものです。

天明幸子

東京生まれ。1993年より、イラストレーターとして広告、出版などで活動。代表作としては「サントリーグリーンダ・カ・ラちゃん&ムギちゃん」、「損保ジャパンジャパンダ」がある。『みんなであそぶひ』(教育画劇)などの絵本も出版。神戸芸術工科大学非常勤講師を務める。


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